日本描画テスト・描画療法学会第32回大会

開催案内

会期 2023年11月4日(土)・5日(日)
会場 明治大学駿河台キャンパス リバティタワーほか
(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1)
大会会長 高瀬由嗣
テーマ 絵は語り、絵は癒す
大会運営 日本描画テスト・描画療法学会第32回大会運営委員会
〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 明治大学 文学部 高瀬研究室内
E-mail:byoga32meiji[at]gmail.com ※[at]を@に置き換えてください。

プログラム

認定描画療法士資格認定研修会:基礎コース(NK)

NK①:描画による支援の基礎と職業倫理

講師:松下 博(NPO法人 びな・パートナーシップ・ひろば)
日時:2023年11月4日(土)9時30分~10時30分

【概要】
描画による支援を実際に行うには、描画テストや描画療法における専門的知識を理解し、使用する技術を習得して、対象者に実施する姿勢が必要です。職業倫理は、描画の研究者や臨床現場において描画を使用する面接者には、前提となるものであり、社会人としても必要な考え方です。今回は、この基礎を振り返る機会にしたいと考えます。

NK②:心理アセスメントの基礎

講師:松瀬 喜治(佛教大学)
日時:2023年11月4日(土)10時40分~11時40分

【概要】
心理アセスメントとは、観察・検査・面接によって、対象者の病理的な側面と健康的な側面の両方を全体的に臨床像を創りあげて、問題を捉え直すことである。このような“心理臨床家の見立ては、その後の対象者への関わり(見通し・方策)を産出するもの”という基本的な視点より、目的に応じた心理アセスメントの意義と方法について概説する。

NK③:心理面接の基礎

講師:片山 はるみ(姫路大学)
日時:2023年11月4日(土)13時20分~14時20分

【概要】
心理面接とは、心理的な困難を解決しようとしている相談者とそれを支援する者との関係性の進展と終結の過程で、主に相談者の自己洞察と自己成長を促すための心理的空間であり、支援をする者の理論や技法に基づいた行為のことを意味します。この研修では、最も基本となる「傾聴」についてあらためて考え、自らの態度や技術を振り返る機会としたいと思います。

NK④:描画による心理アセスメントの基礎

講師:香川 香(関西大学)
日時:2023年11月4日(土)14時30分~15時30分

【概要】
描画テストは、絵という非言語的な媒体を用いて、言葉では十分にあらわせない心の状態を捉えることができる貴重なツールです。臨床現場において、描画テストを活用して的確な心理アセスメントを行うためには、描画テストの適用範囲や、実施法、解釈法について習熟している必要があります。本講義では、描画テストの概要と実施および解釈における留意点について解説し、心理アセスメントにおいて、描画テストを活用する意義を検討したいと思います。

NK⑤:描画による心理面接の基礎

講師:牧瀬 英幹(中部大学)
日時:2023年11月4日(土)15時40分~16時40分

【概要】
描画による心理面接において、クライエントは絵を描きながら多くを語っています。このため、クライエントの語りをどのように「聞く」かは、描画を「見る」ことと同様、とても重要な問題です。さらに、そうして得られた情報をもとに描画を「読む」ことが、治療の転回点を生んでいくことになります。本研修では、描画による心理面接の基礎となる、描画を「聞く」、「見る」、「読む」こととはどういうことなのかについて、臨床例を提示しながら検討してみたいと思います。

ワークショップ

W1:樹木画テスト・バウムテスト

講師:高橋 依子(大阪樟蔭女子大学)
日時:2023年11月4日(土)9時30分~12時00分

【概要】
投映法の心理テストの中でも、描画テストは、クライエントの内面世界が生き生きと表現される。特に「木」の描画はクライエントの抵抗が少ないので、無意識の自己像が表れやすく、臨床場面で頻繁に用いられている。しかし、用い方によっては客観性に欠ける可能性があるため、一定の方法で実施し、過去の資料と比較しながら解釈することが大切である。今回は「木」を描く心理テストの実施法と基本的な解釈法について解説する。

W2:風景構成法

講師:皆藤 章 (京都大学名誉教授)
日時:2023年11月4日(土)9時30分~12時00分

【概要】
<風景構成法の半世紀>中井久夫の臨床的直観によって「風景構成法」が世に出てから半世紀以上が経った。その間、この技法は心理臨床の実践と学の場に命脈を保って現在に到っている。また、その半世紀は日本の心理臨床の土壌が豊かに耕されていったときでもあった。すなわち、風景構成法は日本の心理臨床、芸術療法の発展史のなかでオリジナルなポジションにあった。本ワークショップではそのような風景構成法の歴史をふり返ることで学びを新たにしたい。

W3:なぐり描き法と心理臨床

講師:伊藤 俊樹(神戸大学)
日時:2023年11月4日(土)9時30分〜12時00分

【概要】
なぐり描き法には色々な技法があるが、なぐり描いたものに何かを見出していくという点では、共通したものがある。この描かれたなぐり描きに何かを見出すというこころの働きは、こころの奥にあるものを投影するという心理的機制が働いているのが特徴である。本ワークショップでは、各種のなぐり描き法の紹介、実際例を紹介することによって、ワークショップ参加者がなぐり描き法を普段の臨床に役立てていくヒントを手に入れられることを目指す。

W4:描画療法入門

講師:寺沢 英理子(田園調布学園大学)
日時:2023年11月4日(土)9時30分~12時00分

【概要】
心理療法の中には言葉以外の表現を用いるものがあり、描画療法もその中の一つです。描画表現を用いながら心の作業が進んでいく流れは時に感動的で、臨床場面では大いに役立つ技法です。入門ということなので、描画療法の基本をまとめてみましょう。どのような時に描画の導入を考えるのか、導入を決めたとして、実際にどのように進めていくのか、どのような描画技法を選択するのかなどなど、実践を意識した切り口からの学びを考えています。

W5:描画テストの所見とフィードバック

講師:馬場 史津(中京大学)
日時:2023年11月4日(土)14時00分~16時30分

【概要】
描画テストは〈実施すること〉は簡便なテストですが、〈所見を書くこと〉はとても難しいテストです。今回のWSでは描画テストの初学者を想定し、所見に関する文献をレビューしながら、所見には何が求められているのか、また描画テスト特有の難しさについて整理します。描画テストの解釈に触れながら、所見を自分の言葉で書くことについて、さらに所見とフィードバックの関係性についても考えてみたいと思います。

W6:体験過程・フォーカシングとアート表現

講師:池見 陽(関西大学)
日時:2023年11月4日(土)14時00分~16時30分

【概要】
人の体験のあり方と象徴はどのように相互作用しているのか。当日は哲学者 Eugene Gendlin (1926-2017) の「体験過程」概念及び彼が考案した心理学的メソッドである「フォーカシング」、さらに筆者の「体験過程モデル」を理解した上で、アート表現とその解釈をめぐって実際に参加者が作成したアート表現をもとに検討していく。本ワークショップのねらいは、アート表現を理解するためのフォーカシング的な「視点」を明らかにすることである。

W7:高齢者(認知症)への描画の活用

講師:小海 宏之(花園大学)
日時:2023年11月4日(土)14時00分~16時30分

【概要】
わが国は超高齢化社会を迎え、それにともなう認知症高齢者の増加が社会問題になりつつあり、とくに認知症高齢者に対する適切なケアを行うためには、詳細で正確な心理アセスメントを行うことが重要となる。そこで、高齢者とくに認知症者への描画の活用について、神経心理学的アセスメントおよび臨床心理学的アセスメントの双方を俯瞰して概説し、随時、各検査を体験してもらいながら、脳機能を含めた解釈法について考える機会としたい。

W8:神経発達障害児者への臨床描画の活用-「自分らしく生きる」ことへの理解と支援を中心に

講師:木谷 秀勝(山口大学)
日時:2023年11月4日(土)14時00分~16時30分

【概要】
神経発達障害児者に臨床描画を適用する場合、従来は「障害」の程度を中心にしたアセスメントであり、精神力動的な視点から解釈を進める傾向が強かったことは確かです。ところが、近年の当事者が語る「豊かだからこそ、傷つきやすい心の世界」への理解とともに、障害特性を抱えながらも「自分らしく生きる」姿とそこから生じる葛藤への理解が重要であることがわかってきました。そこで、今回は、多くの神経発達障害児者(特に、自閉症スペクトラム障害)の事例を紹介しながら検討を深めます。

特別講演

題目:「キリスト教絵画における癒しの表現」

日時:11月5日(日)13:50~15:00
講師:瀧口 美香(明治大学商学部)
司会:川島 義高(明治大学文学部)

【概要】
多くのキリスト教絵画は、現在美術館に収められており、わたしたちはそこで作品を鑑賞し、その美的価値を楽しみます。しかし、それらはかつて聖堂や礼拝堂に置かれ、信者たちの崇敬の対象となっていたもので、そこには奇跡の力、癒しの力が備わっていると信じられていました。この講演では、キリスト教絵画が見る者に向かって語りかける、奇跡や癒しのメッセージを、読み解いてみたいと思います。

シンポジウム

題目:「対象者の理解と援助のための2つのアプローチ:絵を見ること、絵を描くこと」

日時:11月5日(日)15:10~17:10
話題提供者
絵を見るアプローチ:関山 徹(鹿児島大学)
絵を描くアプローチ:上島 奈菜子(駒澤大学)
指定討論 :生地 新(まめの木クリニック)
司  会 :高瀬 由嗣(明治大学)

【概要】
投映法の中には、絵を<見る>方法(ロールシャッハ法、TAT等)と、絵を<描く>方法(各種描画法)という、異なる2つのアプローチが存在します。しかもこの2つはアセスメントとしてだけでなく、治療的にも機能します。<見る>と<描く>は、行為としては正反対のように見えますが、臨床場面では互いにどのような意味を持つのでしょうか。またこの2つをどう使えばより大きな効果が期待できるのでしょうか。2つのアプローチの対話を通して、これらの問題を深めたいと思います。

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